ドキュメンタリー映画『闘牛』La course de taureaux (日本未公開、1951)は、ジャン・ルノワール作品やレネ、トリュフォー、ゴダールらのヌーヴェル・ヴァーグ作品のプロデューサーとして知られるピエール・ブロンベルジェの唯一の長篇監督作品で、ナレーション原稿をミシェル・レリスが書いています。今回、新たに作成した日本語字幕付きでの上映となります。
レリスのテクストは、1991年にフランスで出版され(Michel Leiris, La Course de Taureaux, Fourbis, 1991)、2006年に再版されています(La Course de Taureaux, Éditions Verdier, 2006)。前者に基づく林栄美子氏による翻訳(「闘牛(第一部)」、「闘牛(第二部)」、『日吉紀要・フランス語フランス文学』 第34号/35号、2002年)は、リンク先の機関リポジトリで入手できます。
また、バザンがこの作品にインスパイアされて「すべての午後の死」という、映画と死をめぐる短いながらも鋭利なテクストを書いたこともよく知られています(邦訳は『映画とは何かⅡ 映像言語の問題』小海永二訳、美術出版社、1970年に所収)。
映画上映後には、フランス文学と映画に造詣が深く、レリスの『オランピアの頸のリボン』 (人文書院、1999年)および『ゲームの規則Ⅳ 囁音』(平凡社、2018年)の訳者でもいらっしゃる谷昌親氏の映画解説を行います。
それに続くワークショップでは、『ミシェル・レリス日記』(全2巻、みすず書房、2001-2002年)やレリス『ゲームの規則Ⅲ 縫糸』(平凡社、2018年)ほかの訳者でもいらっしゃるフランス文学者の千葉文夫氏のほか、当研究会の大久保清朗、角井誠による研究発表およびディスカッションを行います。
入場無料、事前予約不要のイベントです。皆様のご参加をお待ちしております。
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【日時】2018年11月11日(日)
【場所】山形大学(小白川キャンパス) アクセス
人文社会科学部1号館3階301講義室 キャンパスマップ
【スケジュール】
10:00
- 上映前挨拶(大久保清朗)
10:05-11:20
- 映画『闘牛』上映
11:30-12:00 映画解説
- 谷昌親「映画的生成変化としての闘牛――映画『闘牛』をめぐるA.M.P.M」
13:00-14:00 ワークショップ発表
- 大久保清朗「劇場としてのドキュメンタリー」
- 千葉文夫「ミシェル・レリスによる闘牛技、1937-51年」
- 角井誠 「「存在論的猥褻さ」をめぐって──アンドレ・バザンにおける死の表象」
14:00-14:30 ディスカッション&質疑応答
- 千葉文夫、角井誠、大久保清朗(司会:谷昌親)
主催:アンドレ・バザン研究会
共催:表象文化論学会、山形大学人文社会科学部附属映像文化研究所